余所者-よそもの-【 3 】



野間は敵。

だったらやることは一つ。


「お前一人で何ができる」

「そうなんすよね。驚きました。まさかこんなにシトウが押されるだなんて」

「………」

「こりゃもう、勝てないっすよね」

「おい、野間」


「……ああ。質問は『僕一人で何ができるか』でしたっけ」


千景は苛立った。

悠長に会話を楽しむ様子の野間に、今にも手が出そうだった。


するとそこで、やっと気が付く。

野間から目を離さない千景の耳に、背後から微かなうめき声が届いた。


「………」

振り返れば、AnBarの扉の前。

いつの間にか仲間が地面に転がっている。


「一応……僕一人じゃないんすよ」


――ガチャン、と壊された、AnBarの内鍵。

迫り寄るZ地区の人間を、鉈(ナタ)のように振り下ろした踵(カカト)で仕留める、その男。


「多夜さん。お先にどうぞ」


野間のその一言に、多夜がAnBarの扉を潜った。