……チッ。
リンコの舌打ちが、通りに響く。
「アズマ」
「はい。見えてます」
リンコと龍翔鳳鱗 三代目総長、アズマが見据えるのは――露天街側の抜け道。
そこには、道を埋め尽くすほどのシトウの構成員。
先頭には風格のある男が、二人。
「幹部まとめて二人……一気に」
「……コッチに出ましたね」
「いよいよ狙いはAnBarってところかしら」
よりによってこのタイミングで。
いや、敢えてまとめてぶつけてきた、と考える方が正しい。
前線には、トウジとレンを回したばかり。
そこへ幹部二人が引き連れてきた、大量の増援。
リンコの持ち場は一気に騒がしくなった。
「バン!陣営に隙間ができてる!」
『え、どこ』
「もっと前線側に広がりなさい!トウジとレンはまだ前に進んでる」
『わかった!』
リンコは最後に軽く采配を行った後、静かに幹部の前に立った。


