余所者-よそもの-【 3 】



一方、その頃。

――シトウのとある高層ビルの屋上。


「……さすが喧嘩屋。カンがいい」


そこには。
双眼鏡を片目で覗きながら笑う、一人の男がいた。


「そっちで大正解。アンタにAnBarに行かれてたら、こうはならなかった」


双眼鏡を僅かにずらす。


人が大きく流れている。

前線へ。


空いた場所を埋めるように、また別の人間が動いていく。


「穴なんかないって思ってたけど。おかげで――」


視線の先。

AnBarまで続く、人の流れ。


「やっと、視えた」


投げ捨てられた双眼鏡が、ガシャン……と音を立てた。


「――カナコさんまでのルート」


屋上を駆け降り、大型バイクに跨る。


捻り上げたアクセルグリップ。

――ブオンッ!!とエンジン音を吹かせば、右手中指の目玉のタトゥが妖しく揺れた。



「そろそろっすね」