余所者-よそもの-【 3 】



「紫藤は、どこだ」


転がった喧嘩屋に、ユキの冷たい声が降りかかった。


「知らね」

「お前、シトウの幹部だろ」

「知らねぇもんは知らねぇ。俺も探してんだよ」


疑いの目を投げるユキ。

喧嘩屋は構わず続ける。


「『AnBarを潰せ』」

「……なんだと?」

「もし。俺がここじゃなく、AnBarに攻めてたらどうなってた?」

「結果は同じだ」

「そうじゃねぇ」


喧嘩屋は今回独断で動いた。

だって、多夜が嫌い。


「俺がこっちに出張るのと、AnBarで暴れるのと。――どっちがお前にとって嫌だったよ」

「………」


ユキは答えない。

なので。
喧嘩屋はカンで、沈黙の中身はきっと後者だろうと判断した。


……選択を、誤った。


「お前らが攻め込んでくる直前、一つ指示があった。AnBarを潰せってな」

「誰からだ」

「多夜」