ワアワア、と通りに溢れる怒号や、悲鳴。
殴打音や、狂ったような叫び声。
終わりの街の大抗争が、始まっていた。
それは、シトウにとっては降って湧いたような出来事。
奇襲。
混乱の渦の中心。
露天街の面々を引き連れたユキが、耳元のイヤホン越しに話しかける。
「デック」
その呼びかけに、『あいぃ』と反応を返すデック。
仲間たちとは、グループ通話で繋がっている。
「そっちはどうだ」
『問題なしですぅ。そっちに追い込みかけながら前進してますよぉ』
――ユキ+露天街から成る、前線突破部隊。
対して、
――デック+Z地区本隊から成る、挟撃部隊。
ユキ達はAnBarのある露天街側から。
デック達は、その反対に位置するZ地区側から。
シトウの人間が最も多く集まるメインストリートを、両側から挟み込む。
――紫藤を引きずり出すために。


