余所者-よそもの-【 3 】



紫藤さんは時折、多夜に命令するようになった。


『アイツら片付けて来い』

街に現れた不穏分子の掃除。


『あの喧嘩を収めて来い』

シトウの人間同士のいざこざの鎮圧。


やがて。
紫藤さんの横には、当たり前のように多夜が付き従うようになり。

そうして俺たちにとっても多少扱いやすくなった頃、多夜は幹部にまで成りあがった。


俺が多夜の幹部入りに反対したのは。

いくら多夜が変わろうとも、紫藤さん以外が多夜を扱うことは出来ないと思ったからだ。


多夜が動くのは、いつだって紫藤さんが絡んだとき。


そう。

それ以外の何かに、コイツが執着する姿なんて見たことがない。


だったら。

「………」


今、狂ったように探しているあの女も。

やっぱり紫藤さんが絡んでるってことか?


「じゃあ、紫藤さんの所在を言わないのは……なんでだ、多夜」

思わず独り言が洩れた。