余所者-よそもの-【 3 】



そんなことを繰り返し。

いつも通り怪我の癒えた多夜が紫藤さんの前に立った、ある日のこと。


紫藤さんは多夜を殴る前に、こんなことを話した。


「お前、本当に死にてぇのか?」

「………」

「言え。死にてぇか、生きてぇか。どっちだ」

「………」

「さもなきゃ相手にするのをやめる。殺しもしない。ただ、街から出す」


多夜はしばらくして、やっと口を開いた。


「俺は……」

それは、街に現れてから。

どれだけ殴られても、うめき声すらまともに上げなかった多夜の。

初めての声だった。


「壊したい」


ぽつり、と落ちた声。

二択から逸れた回答。


紫藤さんは多夜を殴りだした。


ああ、殺すんだ。

そう思った。