そんなことを繰り返し。
いつも通り怪我の癒えた多夜が紫藤さんの前に立った、ある日のこと。
紫藤さんは多夜を殴る前に、こんなことを話した。
「お前、本当に死にてぇのか?」
「………」
「言え。死にてぇか、生きてぇか。どっちだ」
「………」
「さもなきゃ相手にするのをやめる。殺しもしない。ただ、街から出す」
多夜はしばらくして、やっと口を開いた。
「俺は……」
それは、街に現れてから。
どれだけ殴られても、うめき声すらまともに上げなかった多夜の。
初めての声だった。
「壊したい」
ぽつり、と落ちた声。
二択から逸れた回答。
紫藤さんは多夜を殴りだした。
ああ、殺すんだ。
そう思った。


