余所者-よそもの-【 3 】



俺はとうとう紫藤さんに許可を仰いだ。

『アイツ、もう殺していいですか』


そこで、ついに紫藤さんが出張(デバ)った。


紫藤さんは数に頼らず、たった一人で多夜の前に立ち。

俺なんかよりも容赦なく多夜をボコボコにした。


『もう立つな』と思いながら殴っていた俺とは違い。

紫藤さんは血まみれの多夜に、何度も『立て』と言った。

立たせては、また殴る。


やがて多夜がピクリとも動かなくなると、意識があるかもわからないソイツに言いつけた。


「『殺してぇ』まだこの衝動が湧くようなら、次から俺のトコに来い」

「………」

「俺がお前を殺してやる」


この日から。
多夜が街で暴れることはなくなった。


その代わり、多夜は紫藤さんの前に現れるようになった。


丈夫な男だった。

どれだけ壊されても、身体を治しては紫藤さんの前に立つ。

無言で、無表情で。


多夜も多夜なら、毎度相手をする紫藤さんも理解不能だった。

どっちも、気味が悪い。