余所者-よそもの-【 3 】



思えば――……

多夜がシトウに余所者として街に紛れ込んだときから、そうだ。


シトウ近くのドデカイ刑務所。

多夜は出所後、すぐにシトウに流れてきた。


出所してシトウで仕切り直す奴は、珍しくない。

行き場のないヤツほど、まずここを目指す。


それでも、多夜は群を抜いて目立っていた。


『頭のおかしな余所者が街で暴れている』

多夜のそんな話を、ほとんど毎日、至る所で耳にするほど。


ヤツはまるで破壊人形だった。

手当たり次第、街の人間を殺しにかかってくる。


当然、シトウも黙ってない。

たった一人の多夜を数十人で囲み、動けなくなるまで追い詰める。


当時から喧嘩屋だった俺も、何度もコイツをぶっ叩いた。


最初は半殺し。

次も半殺し。

それでも止まらないので、三分の二程度殺して。

次は五分の四程度殺してやった。


それでも。
多夜は身体が回復すると、また懲りもせず街に現れた。

どれだけ痛めつけられても、表情一つ変えず。

ただ一心不乱に暴れ狂うその姿は『もう自分を殺してくれ』、そう叫んでいるように見えた。