余所者-よそもの-【 3 】



俺は一向に口を開かない多夜に向かって、舌打ちを響かせた。

もうこの際、野間はいい。


女よりも、野間よりも。

シトウが一番に探すべき人間は他にいる。


「じゃあ。――紫藤さんはどこだ」


その名前に、多夜がピクリと反応を示す。


「いい加減にしろよ、多夜」


俺は拳を丸める。

もう我慢の限界だ。


野間がいない。
そのせいで街の情報が入ってこない。

紫藤さんもいない。

その行先を知っているであろう多夜は、何も喋らない。


瞬く間に街に広がる、疑心暗鬼。


これまで恐怖と力で抑え付けていた血の気の多い輩たちの中には、タガが外れたように好き勝手に暴れだしているヤツだっている。


これを好機と見たのか。

Z地区や露天街の動きだって、きな臭い。


すでに収拾のつかない事態。


「このままじゃ、街が終わるぞ」

「………」

「野間が消えたことと、紫藤さんの不在。何か関係があるのか?」

「………」


「……なぁ、おい!!」


ぼうっと俺の声を聞き流し続ける多夜の胸倉を掴み上げた。