檻の外へー極道なんて、大嫌いー

「……言っちゃったね」
「あぁ、言っちまったな。明後日の夜は、大樹の兄貴から直々に残党狩りのシノギを任されてるってのによ」
俺が頭を掻き毟ると、玲美はふふっと小さく笑い、そして、とんでもないことを言い出した。
「今日と明日で、終わらせよう」
「……は?」
「今日と明日の夜で、三日分の仕事を全部終わらせるの。そうすれば、明後日の夜は完全にフリーになるでしょ」



病み上がりで何を言い出すかと思えば、マジでイカれてる。
三日分の汚れ仕事のタイムアタック。ただでさえ睡眠時間を削って過労で倒れたばかりの身体で、倍速で抗争と取り立てをこなそうというのだ。バレたら若に何をされるか分かったもんじゃない。
「お前なぁ……またぶっ倒れても俺は知らねぇぞ?」
「倒れない。……どうしても、みんなと海沿いを走りたいから」
その真っ直ぐな瞳に見つめられると、俺はもうため息をつくしかなかった。
「……分かったよ。若や兄貴にバレねぇように、音速で片付けるぞ。準備しろ!」