檻の外へー極道なんて、大嫌いー

俺の隣で、玲美がハッと息を呑むのが分かった。
彼女の大きな瞳が、いつになく強い憧れと期待の光で揺れている。
だが、現実は残酷だ。
明後日の夜といえば、当然のように俺たちには小鳥遊組からの仕事がガッツリと入っている。御影組の残党狩りと、借金を飛ばした半グレの取り立て。どちらも朝方までかかる重労働だ。
いつもなら、「親がうるさいから」と白々しい嘘をついて、この眩しい場所から静かにフェードアウトする場面だった。
(……でも)
俺は横目で玲美を見た。
病み上がりのくせに、彼女の目は「どうしても行きたい」と訴えかけていた。極道の鎖に縛られたこの狂った日常の中で、ただの高校生(?)として夜風を感じられる、数少ないチャンス。俺だって、飛龍のダチと一緒に単車を転がしたくてたまらなかった。
剛田が「当然、お前らも来るよな?」と期待に満ちた目で聞いてくる。
「……おう、当たり前だろ」
俺は気がつけば、そう答えていた。玲美も嬉しそうにコクリと頷いた。
倉庫を出て、マンションの玲美の部屋へ戻り、ソファに座ると、玲美と視線が絡んだ。