「玲美はどこだ?」
若の低く、凄みのある声に、俺は無意識に息を飲んだ。
「……寝室です。今朝方、仕事が終わった直後に、急に高熱を出してぶっ倒れちまって。さっきようやく目を覚ましたところで……」
「チッ……!」
俺が言い終わるか終わらないかのうちに、若はひどく苛立たしげな舌打ちをし、俺の肩を乱暴に押し退けて寝室へとズカズカ歩いていってしまった。
リビングに残された俺は、その後ろ姿を見送りながら、大樹の兄貴がテーブルの上にドサドサと置き始めた大量の紙袋へと視線を移した。
「あ、あの……兄貴。その大荷物って……?」
恐る恐る尋ねると、大樹の兄貴は無表情のまま、ふぅと短く息を吐いた。
「若からの差し入れだ。前にこの部屋に来た時、お嬢のクローゼットがあまりにも貧相で、冷蔵庫の中身もほぼ空っぽだったのが余程お気に召さなかったらしい」
「はぁ……差し入れ……」
不審に思いながら紙袋の隙間を覗き込んだ瞬間、危うく目ん玉が飛び出そうになった。
有名ホテルのロゴが入った重厚な箱――おそらく中身は最高級のケーキやマカロンの詰め合わせだろう――は、まだ百歩譲っていい。問題は、別の紙袋にこれでもかと詰め込まれた服の方だ。
若の低く、凄みのある声に、俺は無意識に息を飲んだ。
「……寝室です。今朝方、仕事が終わった直後に、急に高熱を出してぶっ倒れちまって。さっきようやく目を覚ましたところで……」
「チッ……!」
俺が言い終わるか終わらないかのうちに、若はひどく苛立たしげな舌打ちをし、俺の肩を乱暴に押し退けて寝室へとズカズカ歩いていってしまった。
リビングに残された俺は、その後ろ姿を見送りながら、大樹の兄貴がテーブルの上にドサドサと置き始めた大量の紙袋へと視線を移した。
「あ、あの……兄貴。その大荷物って……?」
恐る恐る尋ねると、大樹の兄貴は無表情のまま、ふぅと短く息を吐いた。
「若からの差し入れだ。前にこの部屋に来た時、お嬢のクローゼットがあまりにも貧相で、冷蔵庫の中身もほぼ空っぽだったのが余程お気に召さなかったらしい」
「はぁ……差し入れ……」
不審に思いながら紙袋の隙間を覗き込んだ瞬間、危うく目ん玉が飛び出そうになった。
有名ホテルのロゴが入った重厚な箱――おそらく中身は最高級のケーキやマカロンの詰め合わせだろう――は、まだ百歩譲っていい。問題は、別の紙袋にこれでもかと詰め込まれた服の方だ。

