檻の外へー極道なんて、大嫌いー

ぐったりとした玲美の身体を抱き上げ、俺は急いで路地裏に停めてあった単車へと向かった。
後部座席に彼女を乗せ、背中から俺の身体に持っていたロープでしっかりと固定する。意識のない状態で振り落とされないようにするためだ。
「しっかりつかまってろよ、玲美……!」
返事のない背中の熱を感じながら、俺はエンジンを吹かし、マンションへと単車を走らせた。
玲美のポケットから鍵を取り出し、最上階の部屋に滑り込む。
そのまま寝室のベッドに彼女を静かに寝かせ、キッチンから氷枕を作ってきて頭の下に敷いた。さらに、洗面器に水を張り、濡れタオルを何枚か用意する。
ここからが、俺にとって色んな意味で一番の難関だった。
玲美の服や肌には、先ほどの殴り合いで浴びた半グレどもの返り血や、泥汚れがべったりとこびりついている。このまま寝かせておくわけにはいかない。