檻の外へー極道なんて、大嫌いー

「使えない駒に価値はない。貴様はただの道具だということを忘れたか」
罵倒と鈍い打撃音が、静まり返った部屋に響き渡る。
並み居る幹部たちは、裏社会で数々の修羅場をくぐり抜けてきた冷徹な男たちばかりだ。しかし、15歳の華奢な少女が、実の父親から凄惨な暴力を受けて血を吐いているという異様な光景に、彼らでさえ耐えきれず、次々と気まずそうに目を逸らしていった。
口の中に生暖かい鉄の味が広がり、視界が白く明滅する。
(あぁ……痛い……。もう、嫌だ……)
最後に腹部へ容赦のない重い一撃を食らい、私の意識は完全に暗闇へと沈んだ。
「……チッ。役立たずめ」
頭は、ピクリとも動かなくなった私をゴミでも見るかのように見下ろして鼻で笑うと、乱れたスーツの皺を払い、満足げに部屋を出て行った。