外の空気が茜色に染まり始め、そろそろお開きの空気が漂い始めた頃だった。
「あ、あのさ……玲美」
いつもなら「じゃあな!」と一番に豪快な声で解散を宣言する総長の樹が、なぜかモジモジと落ち着きのない様子で私の前に歩み出てきた。
その大きな体躯を小さく丸め、顔を耳の先まで真っ赤にしている。
「今日は……その、俺が玲美を家まで送っていきたいんだけど……ダメ、か」
その瞬間、幹部室の空気がピタリと止まり、次の秒には爆発した。
「うおぉぉぉぉッ!? 総長がガチで口説きにいったッス!!」
零がぴょんぴょんと飛び跳ねて歓声を上げる。
「ヒューッ! 樹の奴、ついに男を見せやがったな!」
誠先輩がニヤニヤしながら囃し立て、鳴海副総長も「お、青春だな」と楽しそうに腕を組んだ。九条だけは「……発情期の猿ですか」と呆れたようにため息をついている。
突然の申し出に、私は目を瞬かせた。
樹の不器用で真っ直ぐな好意。普通の女子高生なら、きっと顔を赤らめて喜ぶような甘酸っぱいシチュエーションなのだろう。
けれど――私の内心には、冷や汗に近い焦りが込み上げていた。
(絶対に、ダメ……!)
「あ、あのさ……玲美」
いつもなら「じゃあな!」と一番に豪快な声で解散を宣言する総長の樹が、なぜかモジモジと落ち着きのない様子で私の前に歩み出てきた。
その大きな体躯を小さく丸め、顔を耳の先まで真っ赤にしている。
「今日は……その、俺が玲美を家まで送っていきたいんだけど……ダメ、か」
その瞬間、幹部室の空気がピタリと止まり、次の秒には爆発した。
「うおぉぉぉぉッ!? 総長がガチで口説きにいったッス!!」
零がぴょんぴょんと飛び跳ねて歓声を上げる。
「ヒューッ! 樹の奴、ついに男を見せやがったな!」
誠先輩がニヤニヤしながら囃し立て、鳴海副総長も「お、青春だな」と楽しそうに腕を組んだ。九条だけは「……発情期の猿ですか」と呆れたようにため息をついている。
突然の申し出に、私は目を瞬かせた。
樹の不器用で真っ直ぐな好意。普通の女子高生なら、きっと顔を赤らめて喜ぶような甘酸っぱいシチュエーションなのだろう。
けれど――私の内心には、冷や汗に近い焦りが込み上げていた。
(絶対に、ダメ……!)

