檻の外へー極道なんて、大嫌いー


そんな中、総長である剛田樹だけが、なぜか顔を真っ赤にして一人で慌てふためいていた。
「お、おいお前ら! 姫を責めるんじゃねぇ! 玲美はな、あれだ、最近疲れてたんだよ! だから寝顔……じゃなくて、睡眠をとることは人間として超重要なんだ! 物理解いただけでも天才じゃねぇか!」
必死に取り繕いながら私を庇う剛田の様子に、私は思わずきょとんとしてしまった。
彼が私に好意を抱いてくれているのは、昨日の「手作りお弁当事件」の時の反応でなんとなく察していたけれど、いくらなんでも過保護すぎる。極道の娘として恐れられることはあっても、こんな風に無条件で甘やかされることなんて今まで一度もなかった。
「おい総長、玲美を甘やかしすぎだろ。コイツなんて俺の弁当食わずにいちごミルクばっか飲んでっから寝落ちすんだよ」
晴樹が口を尖らせて茶々を入れると、剛田はムキになって反論した。