檻の外へー極道なんて、大嫌いー

【side 玲美】

血と硝煙に塗れた長い夜を終え、私と晴樹がマンションの部屋に帰り着いた頃には、すでに窓の外は白み始め、朝陽が容赦なく差し込んでいた。
リビングの壁掛け時計を見上げると、学校の登校時間まで残り一時間しかない。
「……っ、痛ぁ……」
重い防弾チョッキを脱ぎ捨てると、ドッと全身に鉛のような疲労がのしかかってきた。
太ももからレッグホルスターを外し、まだ硝煙の匂いがかすかに残るリボルバーと、余った38口径弾、そして偽装用のウィッグを黒いボストンバッグに乱暴に押し込み、クローゼットの奥深くへと隠す。
さっきまで命のやり取りをしていた凶器たちが、日常の空間に仕舞い込まれていく光景は、いつ見てもひどく歪で滑稽だった。
「玲美、俺先シャワー浴びるぞ! 時間ねぇ!」
「わかってる、早くして」
手短に会話を交わし、晴樹と交代で慌ただしくシャワーを浴びる。