檻の外へー極道なんて、大嫌いー

魁のあの恐ろしいピッキング訪問の翌日から、晴樹はこうして私の部屋に入り浸り、自炊に挑戦し始めた。魁を盲信している晴樹にとって、あの日の悪態は絶対的な業務命令として脳内に刻まれてしまったらしい。
そして、その成果が発揮された昼休み。
いつものように屋上の溜まり場で、飛龍のメンバーたちと一緒にベンチに座っていた私は、膝の上に乗せたお弁当箱のフタを開けた瞬間、激しい後悔に襲われた。
「ぶっ……はははははっ!! なんだそれ!!」
「れ、玲美たん……それ、闇の錬金術か何かで作ったの……!?」
総長の剛田や一年生の佐伯が、私のお弁当箱の中身を覗き込んで、腹を抱えて大爆笑し始めた。
無理もない。ピンク色のかわいらしいお弁当箱の中に詰め込まれているものは、もはや食品にすら見えず、産業廃棄物と形容できる。
真っ黒に焼け焦げた卵焼き(もはや炭のブロック)
足の太さが不揃いのタコさんウィンナー(切り込みが深すぎて異形のバケモノと化している)
形の崩れた牛肉ハンバーグ(岩石のようにゴツゴツしていて、謎の亀裂が走っている)