【side 玲美】
「……ねえ、もうやめたら? コンビニのご飯の方がずっと美味しいから、無理して作らなくていいって何度も言ってるんだけど」

ため息をつきながらアイランドキッチンに寄りかかると、私の部屋のキッチンに立つエプロン姿の晴樹が、顔を真っ赤にして睨み返してきた。彼の手元には、ひき肉と玉ねぎの残骸が散乱している。
「うるせぇ! 若から『まともなもん食わせろ』って直々に命令されたんだぞ! 若の命令に背けるわけねぇだろ!」
そう怒鳴りながらも、晴樹の視線は手元のボウルに釘付けだ。極道の訓練でドスや拳銃の扱いには長けているはずなのに、包丁で玉ねぎをみじん切りにする手つきは絶望的なほど不器用だった。今も、ハンバーグのタネを成形しようと悪戦苦闘しているが、空気を抜くための両手のキャッチボールが上手くいかず、べちゃべちゃの肉塊が指の隙間からこぼれ落ちそうになっている。
「……それ、焼く前にすでに崩壊してるけど」
「だーっ! うるせぇ、黙って座ってろ! 愛情たっぷりの護衛特製弁当を作ってやるからな!」
「……ねえ、もうやめたら? コンビニのご飯の方がずっと美味しいから、無理して作らなくていいって何度も言ってるんだけど」

ため息をつきながらアイランドキッチンに寄りかかると、私の部屋のキッチンに立つエプロン姿の晴樹が、顔を真っ赤にして睨み返してきた。彼の手元には、ひき肉と玉ねぎの残骸が散乱している。
「うるせぇ! 若から『まともなもん食わせろ』って直々に命令されたんだぞ! 若の命令に背けるわけねぇだろ!」
そう怒鳴りながらも、晴樹の視線は手元のボウルに釘付けだ。極道の訓練でドスや拳銃の扱いには長けているはずなのに、包丁で玉ねぎをみじん切りにする手つきは絶望的なほど不器用だった。今も、ハンバーグのタネを成形しようと悪戦苦闘しているが、空気を抜くための両手のキャッチボールが上手くいかず、べちゃべちゃの肉塊が指の隙間からこぼれ落ちそうになっている。
「……それ、焼く前にすでに崩壊してるけど」
「だーっ! うるせぇ、黙って座ってろ! 愛情たっぷりの護衛特製弁当を作ってやるからな!」

