――ガチャガチャ、カチャッ。
不意に、玄関の分厚い扉の向こうから、金属が擦れるような妙な音が聞こえた。
次の瞬間、ガチャリとノブが回り、重い扉が躊躇いなく開け放たれた。
「は……?」
ズカズカと靴を脱いで上がり込んできたのは、帰ったはずの小鳥遊魁と東條大樹だった。
しかも、魁の右手には、見慣れた細い針金が二本、器用に握られている。
あまりの異常事態に、私も晴樹も完全に硬直し、声すら出せずにただ口をパクパクとさせることしかできない。
そんな私たちをよそに、魁は手の中の針金をスーツのポケットにしまい込み、ぐるりと部屋の中を見渡してから、ひどく呆れたような声で言い放った。
「部屋の鍵に電子ロック追加しとけ。こんな簡単に開くような鍵なら、ザコでもこの部屋に入っちまう」
その言葉を聞いた瞬間、私の横で固まっていた晴樹の顔が、言葉にならない強烈なツッコミの形に歪んだ。彼の心の声が、痛いほど私にも伝わってくる。
(若、ピッキングで鍵こじ開けて入ってくるとか、泥棒と変わんねぇじゃねぇか!!)
私も全く同意見だった。いくらなんでも非常識すぎる。
しかし、圧倒的な威圧感と殺気を放つ裏社会の『死神』を前にして、そんな正論をぶつけられる度胸など、私たちにあるはずがない。
実は彼が、「玲美が一人暮らしをまともにできているか」という過保護すぎる心配のあまり、多忙な仕事の合間を縫ってわざわざ様子を見に来ただけだなんて――玲美と晴樹が知る由もない。
不意に、玄関の分厚い扉の向こうから、金属が擦れるような妙な音が聞こえた。
次の瞬間、ガチャリとノブが回り、重い扉が躊躇いなく開け放たれた。
「は……?」
ズカズカと靴を脱いで上がり込んできたのは、帰ったはずの小鳥遊魁と東條大樹だった。
しかも、魁の右手には、見慣れた細い針金が二本、器用に握られている。
あまりの異常事態に、私も晴樹も完全に硬直し、声すら出せずにただ口をパクパクとさせることしかできない。
そんな私たちをよそに、魁は手の中の針金をスーツのポケットにしまい込み、ぐるりと部屋の中を見渡してから、ひどく呆れたような声で言い放った。
「部屋の鍵に電子ロック追加しとけ。こんな簡単に開くような鍵なら、ザコでもこの部屋に入っちまう」
その言葉を聞いた瞬間、私の横で固まっていた晴樹の顔が、言葉にならない強烈なツッコミの形に歪んだ。彼の心の声が、痛いほど私にも伝わってくる。
(若、ピッキングで鍵こじ開けて入ってくるとか、泥棒と変わんねぇじゃねぇか!!)
私も全く同意見だった。いくらなんでも非常識すぎる。
しかし、圧倒的な威圧感と殺気を放つ裏社会の『死神』を前にして、そんな正論をぶつけられる度胸など、私たちにあるはずがない。
実は彼が、「玲美が一人暮らしをまともにできているか」という過保護すぎる心配のあまり、多忙な仕事の合間を縫ってわざわざ様子を見に来ただけだなんて――玲美と晴樹が知る由もない。

