今日は珍しく、組から下された汚れ仕事が一つもない日だった。
放課後、飛龍の連中からの「倉庫で遊ぼうぜ」という誘いも適当な理由をつけて断り、私は晴樹と共に真っ直ぐマンションへと帰ってきた。たまには誰の目も気にせず、カタギの高校生のようにゆっくりと体を休めたかったからだ。
最上階にある私の部屋のドアを開け、中に入る。
すると、一つ下の階に自分の部屋があるはずの晴樹が、さも当然のように私の後ろからついてきて、我が物顔で靴を脱ぎ始めた。
「……ふんっ」
「いてぇッ!?」
私は無防備な晴樹の頭頂部に向かって、一切手加減なしのげんこつを綺麗に振り下ろした。
ゴツッ、という硬い音が玄関に響き、晴樹が涙目で頭を抱えてしゃがみ込む。
「な、何すんだよ玲美! 脳みそ揺れたじゃねぇか!」
「昼間のいちごミルクのやり返し。あと、ここは私の部屋。あんたの部屋は一つ下でしょ」
「用心棒なんだから護衛対象のそばにいんのは当たり前だろ! つーか、マジで手加減しろよ……極道仕込みの拳は洒落になんねぇんだって……」
ぶつぶつ文句を言いながらも、晴樹は図々しくリビングへと上がり込み、ソファにどっかりと腰を下ろした。私も呆れながら、冷蔵庫から冷たいお茶を出して彼に放り投げてやる。
そのまま「お前のパンチは重すぎる」「あんたのデリカシーがなさすぎる」と、子供のような言い合いと小競り合いが続いた。
組の息詰まるようなプレッシャーを忘れられる、年相応の、ただの幼馴染としての他愛のない時間。肋骨の痛みも忘れ、心からリラックスできている自分がいた。
放課後、飛龍の連中からの「倉庫で遊ぼうぜ」という誘いも適当な理由をつけて断り、私は晴樹と共に真っ直ぐマンションへと帰ってきた。たまには誰の目も気にせず、カタギの高校生のようにゆっくりと体を休めたかったからだ。
最上階にある私の部屋のドアを開け、中に入る。
すると、一つ下の階に自分の部屋があるはずの晴樹が、さも当然のように私の後ろからついてきて、我が物顔で靴を脱ぎ始めた。
「……ふんっ」
「いてぇッ!?」
私は無防備な晴樹の頭頂部に向かって、一切手加減なしのげんこつを綺麗に振り下ろした。
ゴツッ、という硬い音が玄関に響き、晴樹が涙目で頭を抱えてしゃがみ込む。
「な、何すんだよ玲美! 脳みそ揺れたじゃねぇか!」
「昼間のいちごミルクのやり返し。あと、ここは私の部屋。あんたの部屋は一つ下でしょ」
「用心棒なんだから護衛対象のそばにいんのは当たり前だろ! つーか、マジで手加減しろよ……極道仕込みの拳は洒落になんねぇんだって……」
ぶつぶつ文句を言いながらも、晴樹は図々しくリビングへと上がり込み、ソファにどっかりと腰を下ろした。私も呆れながら、冷蔵庫から冷たいお茶を出して彼に放り投げてやる。
そのまま「お前のパンチは重すぎる」「あんたのデリカシーがなさすぎる」と、子供のような言い合いと小競り合いが続いた。
組の息詰まるようなプレッシャーを忘れられる、年相応の、ただの幼馴染としての他愛のない時間。肋骨の痛みも忘れ、心からリラックスできている自分がいた。

