檻の外へー極道なんて、大嫌いー

俺には若から仰せつかった『玲美の監視』という至上命令がある。四六時中一緒にいる必要がある以上、俺が飛龍に入るなら玲美も引きずり込まなければ意味がない。
俺は剛田たちをまっすぐ見据え、あえて傲慢な口調で条件を出した。
「ただし、一つ条件がある。俺が入るなら、小鳥遊玲美も飛龍に入れる。……いや、ただのメンバーじゃねぇ。飛龍の『姫』にしろ」
俺の言葉に、剛田と鳴海は一瞬呆気にとられたようだったが、すぐに鼻で笑った。
「あー、あの新入生か! 俺らも噂は聞いてたよ。新入生の中でも飛び抜けて可愛いってな。実は俺らも、どうにかして誘えねぇかって相談してたところなんだよ。お墨付きがもらえたなら話は早い」
「姫、か。いい響きじゃねぇか。あの子が飛龍の看板背負ってくれれば、白虎の連中も恐れ多くて二度と近づけねぇだろうよ」
二人は悪びれもせず、むしろ大歓迎といった様子で快諾した。
どうやら俺が玲美の盾になる必要はなさそうだ。むしろ、彼女を飛龍の『姫』として扱うことで、中学のときみたいに、女たちが玲美に嫌がらせをすることはなくなるだろう。
俺は満足げに笑い、さっそく玲美が待つ教室へと歩き出した。
……さて、玲美になんて説明して納得させるか。あいつ、絶対に怒るよな。でも、久しぶりに玲美の怒った顔見れるならいいか。あいつ、何してもムカつくくらい可愛いからな。