檻の外へー極道なんて、大嫌いー

校舎に戻る廊下、俺の足取りは軽かった。だが、飛龍のメンバーに囲まれる形で、二人の男が俺の行く手を遮るように立ちはだかった。
一人は、先ほどまで白虎の連中と揉めていた総長。大柄で、派手な金髪をオールバックにしている剛田(ごうだ)という2年の男だ。そして隣には、理知的な雰囲気を纏い、鋭い目をした副総長の鳴海(なるみ)が立っていた。
「おい、新入り。さっきの動き……只者じゃねぇな。あんな喧嘩、ただの不良じゃできねぇ」
剛田がニヤリと笑い、俺の肩を組もうとしてくる。
「飛龍に入らねぇか? お前みたいな腕っ節の強いやつがいてくれれば、白虎だろうがなんだろうが向こう三軒両隣だ」
勧誘か。正直、興味がなかったわけじゃない。
この街の不良連中の動向を知っておけば、情報網も広がって、組の仕事を楽に勧められる。

……っていうのは建前で、単純に俺はゾクに入ってみたかった。
同年代の奴らとバイクについて語り合えるなんて夢みてぇだし、モテる飛龍メンツに学んで、俺も玲美の気を引けるようになりたい。

「いいぜ、面白そうだしな。飛龍とやらに入ってやるよ」
俺がそう告げると、剛田と鳴海は顔を見合わせて嬉しそうに頷いた。しかし、そこで俺はある決定的なことを思い出した。