檻の外へー極道なんて、大嫌いー

結局、その日は大した情報を得られないまま、私は日付が変わる頃に一度マンションへと戻った。
三人組の酔っ払いは適当に鳩尾を殴って気絶させ、足早にその場を後にしたものの、収穫はゼロだ。三日間という短いタイムリミットで、手掛かりも何もない赤の他人を広大な街から探し出すのは、いくらなんでも無謀すぎる。
「……時間がない」
バスルームに入り、熱めのシャワーで全身の汗と不快な街の空気を洗い流す。だが、濡れた髪をタオルで拭きながらも、私の心は焦りと憂鬱で休まることはなかった。
ベッドで泥のように眠りたい欲求を無理やりねじ伏せ、私は再び黒いパーカーに袖を通した。分厚い札束を無造作にポケットにねじ込み、そのまま部屋を飛び出す。
向かった先は、売春宿がある繁華街の裏路地にひっそりと店を構える「情報屋」だ。
「やぁ、お嬢。こんな夜更けに一人かい? 俺と朝まで遊んでいくには、ちょっと殺気が強すぎるなぁ」
タバコの煙とカビの匂いが染み付いた薄暗い事務所。
デスクに足を乗せてニヤニヤと笑う情報屋の男は、私の全身を舐め回すように、ねっとりとした視線を向けてきた。
「……遊びに来たんじゃない。仕事よ」
背筋に這い上がるような悪寒を押し殺し、私は持ってきた札束をデスクの上に叩きつけた。