「ちょうど今、組お抱えの彫り師が来ているんだ。特訓の祝いも兼ねて、お前らもどうだ? 勲章代わりだ」
洋介さんの言葉に、晴樹は目を輝かせた。
「マジ!? 玲美! 掘ろうぜ! 俺、前から決めてたんだ。背中に、若と同じ龍のやつを!」
晴樹は無邪気に笑うが、私はその言葉を聞いた瞬間、全身の毛穴が逆立つような嫌悪感を覚えた。
極道の世界の象徴。一生消えない、暴力の烙印。
私は刺青というものを、心の底から嫌悪していた。この先、どんなに深くこの血の海に沈もうとも、私の肌まで汚されたくない。
「……嫌」
短く、冷ややかにそう返した。
「なんでだよ! 一緒に掘れば絆も深まるだろ。カッコいいって!」
「絶対嫌。勝手にすれば」
私が強い拒絶を示すと、洋介さんは困ったように苦笑し、さらに爆弾を投下した。
「まぁ、そう言うな。実は若が、お嬢に似合いそうな絵柄をいくつか見繕っていたんだ。魁からも、『あいつには華やかなものがいいだろう』と話が通っている」
「……あの人まで」
組員たちが噂を聞きつけたのか、次々と部屋に集まってくる。
「お嬢、一生ものですから!」「お嬢の美貌なら、どんな柄でも映えますよ!」と、普段は私を恐れて敬語を使う男たちが、今日は妙に熱心に私を説得しようとしてくる。
洋介さんの言葉に、晴樹は目を輝かせた。
「マジ!? 玲美! 掘ろうぜ! 俺、前から決めてたんだ。背中に、若と同じ龍のやつを!」
晴樹は無邪気に笑うが、私はその言葉を聞いた瞬間、全身の毛穴が逆立つような嫌悪感を覚えた。
極道の世界の象徴。一生消えない、暴力の烙印。
私は刺青というものを、心の底から嫌悪していた。この先、どんなに深くこの血の海に沈もうとも、私の肌まで汚されたくない。
「……嫌」
短く、冷ややかにそう返した。
「なんでだよ! 一緒に掘れば絆も深まるだろ。カッコいいって!」
「絶対嫌。勝手にすれば」
私が強い拒絶を示すと、洋介さんは困ったように苦笑し、さらに爆弾を投下した。
「まぁ、そう言うな。実は若が、お嬢に似合いそうな絵柄をいくつか見繕っていたんだ。魁からも、『あいつには華やかなものがいいだろう』と話が通っている」
「……あの人まで」
組員たちが噂を聞きつけたのか、次々と部屋に集まってくる。
「お嬢、一生ものですから!」「お嬢の美貌なら、どんな柄でも映えますよ!」と、普段は私を恐れて敬語を使う男たちが、今日は妙に熱心に私を説得しようとしてくる。

