最終日。全員参加のトーナメント式タイマンが始まった。
負けはすなわち、組内での「格」を失うことを意味する。
俺と玲美は、当然のように勝ち進んだ。
準決勝で俺は巨漢の幹部候補を絞め落とし、玲美は自分より二回りも大きいゴリラみたいな男と対峙していた。
「若様も可愛がってくださる玲美ちゃんだ、手加減してやるよ」
そんな嘲りも束の間、玲美は相手が放った渾身の蹴りを紙一重でかわし、カウンターの肘打ちを相手の顎に叩き込んだ。
鈍い音と共に男が崩れ落ちる。
そして、決勝。
残ったのは、俺と玲美だった。
「……晴樹、手加減しないでね」
「当たり前だ。ここで負けたら、俺は一生お前の『護衛』なんて名乗れねぇからな」
道場の真ん中で向き合う二人。
会場は、この期に及んで戦うのかという驚きと、実力者同士の対決への興奮で静まり返っていた。
俺たちは一切の迷いなく、同時に踏み込んだ。
俺の拳と、玲美の鋭い蹴りが交差する。
お互いの弱点も、呼吸も、すべてを知り尽くした二人の戦いは、他の組員たちのそれとは一線を画していた。
「っ……!」
最後は、ギリギリのところで俺の拳が玲美の額をかすめ、玲美の訓練用のナイフが俺の首筋を捉えるところで、審判役の大樹の兄貴が割って入った。
「そこまで!」
道場に、荒い呼吸と静寂が戻る。
兄貴は、床に座り込んだ俺と玲美を交互に見下ろし、ふっと冷たく笑った。
「小鳥遊組の次代を担うのがこの二人なら、俺の仕事も少しは楽になるかもな」
周りの組員たちが呆然と立ち尽くす中、俺と玲美は互いに手を差し出し合い、立ち上がった。
どれだけ冷酷な訓練であろうと、この五日間、俺たちは確かに「生きて」いた。そして、俺たちの間には誰にも踏み込めない、強固な絆がより深く刻まれていたのだ。
負けはすなわち、組内での「格」を失うことを意味する。
俺と玲美は、当然のように勝ち進んだ。
準決勝で俺は巨漢の幹部候補を絞め落とし、玲美は自分より二回りも大きいゴリラみたいな男と対峙していた。
「若様も可愛がってくださる玲美ちゃんだ、手加減してやるよ」
そんな嘲りも束の間、玲美は相手が放った渾身の蹴りを紙一重でかわし、カウンターの肘打ちを相手の顎に叩き込んだ。
鈍い音と共に男が崩れ落ちる。
そして、決勝。
残ったのは、俺と玲美だった。
「……晴樹、手加減しないでね」
「当たり前だ。ここで負けたら、俺は一生お前の『護衛』なんて名乗れねぇからな」
道場の真ん中で向き合う二人。
会場は、この期に及んで戦うのかという驚きと、実力者同士の対決への興奮で静まり返っていた。
俺たちは一切の迷いなく、同時に踏み込んだ。
俺の拳と、玲美の鋭い蹴りが交差する。
お互いの弱点も、呼吸も、すべてを知り尽くした二人の戦いは、他の組員たちのそれとは一線を画していた。
「っ……!」
最後は、ギリギリのところで俺の拳が玲美の額をかすめ、玲美の訓練用のナイフが俺の首筋を捉えるところで、審判役の大樹の兄貴が割って入った。
「そこまで!」
道場に、荒い呼吸と静寂が戻る。
兄貴は、床に座り込んだ俺と玲美を交互に見下ろし、ふっと冷たく笑った。
「小鳥遊組の次代を担うのがこの二人なら、俺の仕事も少しは楽になるかもな」
周りの組員たちが呆然と立ち尽くす中、俺と玲美は互いに手を差し出し合い、立ち上がった。
どれだけ冷酷な訓練であろうと、この五日間、俺たちは確かに「生きて」いた。そして、俺たちの間には誰にも踏み込めない、強固な絆がより深く刻まれていたのだ。

