「――飛龍、全機出陣!!」
樹の野太い号令と共に、何十台もの単車が一斉にエンジンを咆哮させた。
重低音の排気音が夜の空気を震わせ、色とりどりのネオン管を光らせたバイクの群れが、夜の公道へと飛び出していく。
「すっごい……!」
私はオープンカーの助手席で、吹き抜ける強い夜風を全身に受けながら目を輝かせた。
視界の先には、どこまでも続く海沿いの黒いアスファルト。月明かりに照らされた海面がキラキラと光り、潮の香りが鼻をくすぐる。右を見れば、単車に跨った晴樹が、私に向かって楽しそうにピースサインを送ってきた。
血の匂いも、銃声も、死の恐怖もない。
ただ仲間たちと風を切って走るだけの、圧倒的な自由。この二日間、血反吐を吐きながら三日分のシノギを前倒しで終わらせた甲斐があった。
「玲美! 寒くねぇか!?」
ハンドルを握る樹が、風の音に負けないように大きな声で話しかけてきた。
「全然! すっごく気持ちいい!」
私が満面の笑みでそう叫び返すと、樹は少しだけ驚いたように目を丸くし、それから照れ臭そうに前を向いた。
樹の野太い号令と共に、何十台もの単車が一斉にエンジンを咆哮させた。
重低音の排気音が夜の空気を震わせ、色とりどりのネオン管を光らせたバイクの群れが、夜の公道へと飛び出していく。
「すっごい……!」
私はオープンカーの助手席で、吹き抜ける強い夜風を全身に受けながら目を輝かせた。
視界の先には、どこまでも続く海沿いの黒いアスファルト。月明かりに照らされた海面がキラキラと光り、潮の香りが鼻をくすぐる。右を見れば、単車に跨った晴樹が、私に向かって楽しそうにピースサインを送ってきた。
血の匂いも、銃声も、死の恐怖もない。
ただ仲間たちと風を切って走るだけの、圧倒的な自由。この二日間、血反吐を吐きながら三日分のシノギを前倒しで終わらせた甲斐があった。
「玲美! 寒くねぇか!?」
ハンドルを握る樹が、風の音に負けないように大きな声で話しかけてきた。
「全然! すっごく気持ちいい!」
私が満面の笑みでそう叫び返すと、樹は少しだけ驚いたように目を丸くし、それから照れ臭そうに前を向いた。

