実は私、小鳥遊組で訓練されているから、大型二輪だって余裕で乗りこなせる。
けれど、飛龍のみんなには「バイクには乗れない、ただの普通の女子高生」という体裁を貫いている。私が単車を猛スピードで乗り回してドリフトなんて決めたら、彼らが思い描く『可憐な姫様』のイメージが完全に崩壊してしまうからだ。
そのため、私が誰の後ろに乗るのかという話題になった時だった。
「れ、玲美! 今日は俺と車に乗ってくれ!!」
総長の剛田樹が、顔を真っ赤にしながら私の前に立ちはだかり、大声でそう宣言したのだ。
彼の背後には、ルーフをぶった斬ってフルオープン仕様に改造された、厳つい黒のVIPセダンが停まっていた。暴走の際に総長が乗り込む「先導車」らしい。
「あぁ!? 玲美は俺の単車の後ろに……」
晴樹がいつものように噛みつこうとしたが、剛田は一歩も引かなかった。
「今日だけは譲らねぇ! 総長として、俺が一番安全な特等席で姫をエスコートするんだ! お前は特務幹部として単車で横を走れ!」
「……チッ。しゃーねぇな。玲美に指一本でも触れたら海に沈めるからな」
晴樹も今日ばかりは私に純粋に楽しんでほしかったのか、渋々ながらも引き下がってくれた。
こうして私は、樹が運転するオープンカーの助手席に乗り込み、真夏の海沿いを走る一大イベントに参加することになったのだ。
けれど、飛龍のみんなには「バイクには乗れない、ただの普通の女子高生」という体裁を貫いている。私が単車を猛スピードで乗り回してドリフトなんて決めたら、彼らが思い描く『可憐な姫様』のイメージが完全に崩壊してしまうからだ。
そのため、私が誰の後ろに乗るのかという話題になった時だった。
「れ、玲美! 今日は俺と車に乗ってくれ!!」
総長の剛田樹が、顔を真っ赤にしながら私の前に立ちはだかり、大声でそう宣言したのだ。
彼の背後には、ルーフをぶった斬ってフルオープン仕様に改造された、厳つい黒のVIPセダンが停まっていた。暴走の際に総長が乗り込む「先導車」らしい。
「あぁ!? 玲美は俺の単車の後ろに……」
晴樹がいつものように噛みつこうとしたが、剛田は一歩も引かなかった。
「今日だけは譲らねぇ! 総長として、俺が一番安全な特等席で姫をエスコートするんだ! お前は特務幹部として単車で横を走れ!」
「……チッ。しゃーねぇな。玲美に指一本でも触れたら海に沈めるからな」
晴樹も今日ばかりは私に純粋に楽しんでほしかったのか、渋々ながらも引き下がってくれた。
こうして私は、樹が運転するオープンカーの助手席に乗り込み、真夏の海沿いを走る一大イベントに参加することになったのだ。

