その前に千鶴が立ちはだかる。

私の横眼で
素良と千鶴が楽しそうに踊っている


たまに顔を近づけて
何かを話している。

見つめあって笑い合って
まるで恋人同士のように
お似合いの二人


やっと、素良の番がくる


おあずけの犬が
マテしてるように
ワクワクしている。

                                         躍ってるとき
 メールの返事をもらおう



そしてやっと・・・・

そこでダンスが終了した。


私はがっかりした。
まるで私と素良の恋みたいに


そしてみなさんおまちかねの花火大会


カップルはいちゃつくので
目ざわりということで
いつの日か
一番後ろに追いやられる

いわゆるカップルゾーン



私は運悪く
一度トイレに走り
戻ってくる途中で花火があがった。


ドーーーン


みんなから歓声が聞こえる。


「きれい…」
思わずつぶやいた。

前に行けずにいわゆるカップルゾーンで
みるはめになった、運の悪い私の目の前に


素良と千鶴が座っていた。


花火が空を染める時

二人がキスしていた



いつかこんな日が来るだろうって
思っていた・・・・・・・


私の恋は
花火とともに空中分解して
散ってしまった。


何度も合わされる唇が


私の心臓をえぐった。