しばらく抱き合って
私は、勇気を出して聞いた。


「私は、おかあさんの代わりに
こうしてあげたらいいの?
それが素良の望み?」


「たまにわからなくなる。
こうやって抱いてほしくて
覚えているかあさんに似ていた
ぷくちゃんに声をかけた。
でも、キスする俺は
また違うんだ。
だって、かあさんにキスするわけないし…」

素良は笑った。


そして、私にキスをした。


「これは、きっと男として
発情するから…
この気持ちはなんなんだろう。
男の性?
友情?
異性…
ひどいやつでしょ?」

  それでも愛してるの

「ぷくちゃんは、やっぱりやだよね?」

  愛じゃないから悲しい…

「私は、素良とこうしていることが
好きなの。
素良とKissすると気持ちがいいし
素良をHugすると落ち着くから。
私のことは、気にしないで。
私もこうしていたい…
素良とは、ずっとずっと…
あなたにとって大事なところでいたいから」

  愛の告白


「俺、このままずるい男でいていいの?
男として、千鶴を愛してる
人間として、ぷくちゃんを必要としてる。
こんな都合のいい考え方で
いいのか、最近考えていた。」


  やっぱり素良には届かない

「それでいいよ。
わたしもこのままがいい。
だから、考えないで…」

  あなたを愛してるから
  失いたくないの……


「ありがとう」
子供のように素良が笑った。


  いいんだ、これで…

こんな形でも
素良が私を必要としてくれたら
私は幸せなんだ


心に言い聞かせた。