噛まれた耳がジンジンと痛んだ。

好きな女のキスシーンは見たくないだろう。
あの掃除当番のときも
いつもクールな素良の
心の叫びを見たような気がした。


  早いことが
  私は、素良にとって都合のいい女
  
私の本当の心を知ったら
素良はきっと離れていくだろう。
素良と千鶴の関係に
そっくりなんだ。


  アイシテル
  素良を知れば、知るほど
  素良のために何かしてあげたい


私が心を見せなかったら、
素良はもっともっと
笑うかもしれない。



愛する人が喜ぶことを
してあげたい


恋愛未経験者でも
そんな心は知っている。



素良のためにしてあげられること


素良が喜ぶことは
もうひとつしかないだろう



「素良、私もあなたを必要としてる。
だから、これからも
この関係をずっと続けたい…
素良とKissして
素良をHUgしたい…

だからこの関係は、
これから先二人が変わっても
絶対変わらないって
約束して…」


「俺もぷくちゃんが、必要だよ。」




「じゃあ、誓って」


何度も、何度も
キスをした。


それは私にとっては
悲しいキスだった。


どんな形であっても
素良と一緒にいたいから…