ある日、とても幸せな出来事があった。

「ね、ちょっと…」
素良が、私を呼んだ。

私は突然のことで、舞いあがって
はい…を
「ひゃい」と言った。

「悪いんだけど教科書見せて。」

素良が机を横につけた。


ドキドキドキドキ・・・・

胸の鼓動が聞こえますか?
かなりの速さ・・・


つまらない数学の授業が
いきなり
パラダイスに変わった。


先生が出した
問題をやってみていた。

素良は、あっという間に終わった。


私は、緊張と焦りから
集中できずに苦しんでいたら



「ここは…」
素良が…
素良が…


もう私は、倒れそうなくらいだった。

好きな子に接近戦されて、
勉強を教えてもらってる状況に
興奮しすぎて
具合が悪くなった。

その様子に、
「先生、松本さん具合悪そうです。
保健室に連れて行っていいですか?」
素良が言った。

先生が、
「顔真っ赤だぞ、熱あるのか?
龍崎たのむな」と言った。


  まって、この赤さは恋よ~

「行くぞ。」
素良に連れられて教室を出た。

「ごめんなさい。大事な授業だったのに。」

「いや、いいんだ。
さぼりたかったし~」

「おまえ、顔まっかだけど大丈夫?」

おでこに手をあてたから
さらにおどろいてふらついた。

「ほら」

素良が…
素良が…

私に手を差し出した。


鼻血がでるんじゃないかというくらい
興奮して、私は素良の手を握った。


なんて、なんて
幸せなのかしら・・・・


  神様~ありがとう~

永遠に保健室につかないでくれ~
そう心で絶叫しながら
冷たい素良の手を感じながら
廊下を歩く…



   大好きよ、素良