ショッピングセンターにはいった
私たちは
偶然千鶴に会った。


スラーっと細く長い脚
キレイな巻き髪を
なびかせて、颯爽と歩いてきた。


「よ、千鶴!!」

  よせばいいのに…

千鶴は怪訝な顔で立ち止まった。

「どこいくの?」


「なんで?関係ないじゃん」

  ごもっとも…

芳樹は千鶴の長い巻き髪を手で弄ぶ


  こ、こいつは…


「素良と待ち合わせしてる。」

  ・・・・・・・・


「素良と付き合ったの?」

「まさか……」



千鶴の髪を鼻に近づけた。


「千鶴の匂いだ…」


  こいつ、何もの?


千鶴は勝ち誇ったように
私を一瞥した。



まだきっと、芳樹が好きなんだろう

芳樹の思わせぶりな態度に

振り回されている。


  女泣かせな奴


素良と付き合ってないっていう言葉が
嬉しかった。
素良は、まだ、誰のものでもないんだ。