2年前別れた運河へ行った。

港に足を運び
新潟行のフェリーの前に来た。

「あの日、俺さ、芳樹のところに
行かせたくないって
本当にそう思った。
このフェリーで歩来と逃げたいって・・・」


「私がはっきりしなくて
素良も芳樹も傷つけた。」

「芳樹から聞いた・・・・
あいつめっちゃ変わったし
一番びっくりした。」


「芳樹はホント変わったよ。
なんかね、無理してないといいなって。」


「俺たちさ、いろいろあったけど
一杯悩んで苦しんで
さっき、歩来が言ったように
無駄じゃなかったんだよな。
俺らが抜けられなかった
過去の呪縛を
悩み苦しんで そして
歩来を愛したことで
解放されたんだ・・・・・」


「昨日帰ってから
芳樹と初めて語り合ったんだ。」



素良はうれしそうだった。


「憎しみあってたけど
俺ら兄弟だなって・・・・」


海風が心地よかった。