「行こうか。
今日はありがとう
手伝ってくれて。」


「素良のおかあさんにあえて嬉しかった。」


「帰りは、怖いくらい勢いがつくから
歩来、転がるなよ。」


「失礼ね~」


私は頬を膨らませた。


その頬を指で押した。


「昔さ、こんなことあったよな。」


「会った、会った!!」

「もっと歩来は、柔らかかったけど
苦労させたんだね。
俺と芳樹のしがらみに翻弄させたから・・・」



「回り道は必要だった。
今の私たち
私と素良
私と芳樹
私と千鶴・・・・・
意味のある苦悩の日々だった・・・」


素良が手を差し出した。



「一緒に歩こう。」



「いいの?
この手を掴んだら
もう離さないかもしれない・・・・」



「それは俺の台詞だよ。」


うれし涙が溢れ出す・・・・
私は、しっかり素良の手を握った。