駅について
素良はお花を買った。


それからバスに乗った。
降りて少し歩いたら
山が全部お墓だった。


「かあさんここにいるんだ。」


「すごいね~」


「ここからが山登り。」


「かあさん、かなり上だし・・・
大丈夫か?」


「うん。大丈夫。」


と言ったのもつかの間
けっこうきつい坂は心臓が
口から出そうになった。


何度も振り向く素良


「ごめん、足手まとい・・・ハァ・・ハァ・・」

息が切れる。

「きついだろ、俺もいつも
もうイヤだ・・・・勘弁してくれって
なんでこんなに上にいるんだって・・・・
そう思いながら、この坂登るんだ。」


「先に行って。
おかあさん待ってるよ。」

素良が深呼吸した。


「私はまだ時間がかかるから
ちょっと休んでいく・・・・
ごめん~」


「ここをさ必死に登っていったら
かあさんが言うんだ
『よく来たわね、素良』ってさ。」


「うん、そうね。
この坂登るんだったらきっと
おかあさんもそう言ってくれるわ」


「一緒に行こう歩来。
一緒に行って褒めてもらおう。」