「歩来?
どうしたの?こんなに早くに・・・」

久々に会った素良は
とても男らしくなっていた。


「ごめん・・・
素良に会えるような気がして・・・
まさかこんなに早くに
会えると思わなかった。」


「そうなんだ・・・」
素良が困ったように言った。


「迷惑だった?・・・よね?」


「いや・・・
突然で驚いたから
考えてなかった。」


「一緒にいていいかな?」


「いいよ。
でも、俺かあさんの墓参りに行くけど
いいかな?」



もちろんうなずいた。


海側の席に座る。
向かい合わせに座り
目を合わせられずに
窓の景色をずっと見ていた。


流れる景色はまだ街並だった。

何を話せばいいのか
言葉を捜しながら・・・・