「さむっ…」
リビングに飛び込んだ私に
信じられない光景が
広がっていた。

素良が驚いた顔で私を見た。

「あ…素良…」
無表情でテレビの方に顔をやった。

自分のしてる格好が
とてもいやらしく感じて
慌てて洗濯機から服を取り出した。


聞きたくないけど
確認したかった。

「いつ帰ってきたの?」

「……………」

「今日素良もおとうさんもいないって聞いてたから」

   言い訳がましい

「泊まってくるんだったけど
麻衣が熱出して
瞳さんが大変そうだから
帰ってきた。」

ぶっきらぼうに言った。

「じゃ・・・・」
恐ろしかった。

さっきまで
ついさっきまで
私は芳樹に抱かれていた。
誰もいないと思って
私は、たっぷりと女だった・・・・


「部屋に戻ろうと思ったけど
おまえらの声が
うるさくて戻れなかった。
ここにいても
テレビ でかくしても
おまえの声が聞こえて・・・・
頭にうかんで・・・・」

素良が泣いてるように見えた。


「残酷だから・・・・・
おまえ・・・・
残酷すぎるから・・・・・・・・・」


頭が真っ白になった。