「ここで、別れよう。
歩来は、先に行って。」


素良は私から手を離した。


私も今日あげたかったものを
バックからとりだした。


「素良、これねプレゼント。」

「もう大丈夫だから
顔見せて・・・」

私はわざと明るく言った。

「ん?なに?」

包の中からマフラーを取り出した。

「手編み!?すげー!!」
素良は子供のように喜んだ。


私は素良の首にマフラーを巻いてあげた。

「あったかい~歩来の匂いがする」

素良が眼を閉じた。


私はたまらなくなって
素良にKissした。

「私だと思って
一緒に連れて行って・・・・」

そう言うと涙が溢れた。


「泣くなよ。
今はさ、俺希望で一杯なんだ。」


「よかった・・・」


「歩来……ありがと……」