「仕事、うち募集してたよ。」

「ヨウはなにしてるの?」


「一応、医者の卵だよ~」

「さすがだわ~
看護師ってどこでもあるから
なにか困ったら連絡するね~」


ヨウは携帯の番号を教えた。


「私持ってないから
かったら登録するわ~」

「ついでに兄貴のも書いておいた。
下のが兄貴だから。」


春江の胸がときめいた。


後ろめたいけれど
陽介は何も知らない・・・・・


あの夜
私と治樹が朝まで何度も
愛し合ったこと……


私が、長い間
治樹を想いつづけた言葉を
はきながら
愛する人と結ばれたこと・・・・


この電話番号の向こうに
いるのは
愛しい治樹だった・・・


こんな形で再会するのは
予想外だったけど
春江にとっては
これから自分の生きる道に
光を見つけた
そんな予感でウキウキしていた。