「お願い、ハルに頼んで欲しいの。」
朝からしつこく春江が陽介に頼み続ける。


「やだよ、あいつとは
必要以上話したくない。
それも願い事なんて絶対やだ。」

「いーじゃん。
お願い、勉強ちょっと教えてもらいたいって」

春江の気持ちはわかっていた。
陽介の気もちなんて思いもせず
治樹への想いで一杯だから。


「わかりやすいやつ・・・・」


夕方帰ってきた治樹に声をかけた
「春江が勉強教えてほしいって。」

「は?なんで?
おまえが教えてやれよ。
めんどくせー」

「俺じゃわからないんだって。
いい?明日?」

「なんで、春江の勉強なんてみるんだよ」

「しらねーよ。頼むな。
7時に兄貴の部屋でいいんだろう?」

「帰ってきたらなー」


  えらそーに どんだけえらそーなんだ


春江のよろこぶ顔が浮かんで
胸がざわめく 陽介だった。・・・・