ドアを開けると春江が立っていた。

玄関の靴を見て、
「帰ったの?」と聞いた。

「いるよ、やましいことしてるから
靴かくしたんじゃねーの」

陽介はイラついたように
言い放った。


「ハルに教えてもらいたかったの。」

「ムリだわ。今行ったら怒鳴られるよ。」

「だって、せっかく早く帰ってきたのに?」


「空気読んだ方がいいよ。」

春江はハッとした顔をして
うつむいた。


「やだ・・・ハル汚い・・・」

「仕方ないよ、男だし。
俺がいないと思ってたみたいだし。
いつもこうして連れ込んでるんだよ。」


「ヨウまでそんなこと言わないでよ。」


「刺激的だから
春江は帰った方がいいよ。」

春江の目が潤んだ。
「もうハルとは昔に戻れないのかな・・・」