その日は、たまたま
陽介と春江はテストで学校から
帰ってくる途中だった。

駅から手をつないで
歩いてくる高校生カップルが
すぐに治樹だとわかった。


その少し後を
陽介と春江は歩いていた。


治樹の隣を歩く女子高生は
違う学校の制服を着ていた。
治樹の高校には
絶対いないタイプの女は
髪の毛が茶色でパーマをかけていた。


時折
じゃれ合う姿をみながら
思春期の陽介には恥ずかしくなるくらい
刺激的なことだった。


隣を歩く春江は
うつむき加減に歩いていた。


「大丈夫か?」

「大丈夫じゃない・・・・」

   あいつ、家にかあさんいないからって
   女連れ込む気だな……


陽介が午前授業だということも
知らずに・・・・