治樹の反抗期に親は頭を悩ませた。

「やることやってるんだから
文句を言うな!!」

治樹は、しだいに服装も乱れ
髪の毛の色が金に変わった。
勉強は、まじめに受けて学年トップ
授業も宿題も
やることは確かにきっちり
していたのが、手に負えないところだった。


その様子を陽介と春江は
心配しながら見ていた。

昔のように三人が絡むことも
なくなってしまった。


とくに相棒だった春江を
露骨に避けた。
傷つく春江を
子供の時のように
陽介がなぐさめた。


「どうして、あんなふうに変わっちゃったの?」
春江は悲しんだ。


春江を慰めながら
陽介は、嫉妬で一杯だった。


思春期のおとづれが
三人の心を複雑にした。