「おはよっす!」
芳樹が入ってきた。

「芳樹、どうしたの?」

千鶴が駆け寄っていったが
その横をスルーして
芳樹は私の前に立った。


「おはよー歩来ちゃん。
昨日はごめん、コンタクトにしたんだ。
すげーかわいい!
歩来ちゃんのメガネとった顔が
予想通り 
サイコーにかわいいわ~」

私は聞こえないふりをした。


「今日お詫びに
ご飯おごるから、一緒に行こう。」


「ムリ…」


千鶴が駆け寄ってきた。

「ちょっと、今日は買い物に行く予定でしょう?」


「わるい!それ、キャンセル」


「どうして?
芳樹も松本さんからかうのやめたら?
勘違いするじゃん。
コンタクトなんかいれて。」


  その人のためではないけど…



「私は、いかないし
このひとに興味もないし
ケンカするなら、違うとこでやってほしいんだけど
すごく迷惑。」


私が立ちあがって
移動しようとした時
腕を引かれた。


なにが起きたのか理解できなかった。



でも私の唇を
芳樹が奪った。

風のように簡単に…