眠れなかった。
そんなに憎い子供・芳樹を
母はどうして愛しいと思ったんだろう。

息子の俺を一人にしてまで
憎い二人の息子を・・・


俺は、愛してもらえないのか

親父も母親も
千鶴も、歩来も
みんな芳樹に持っていかれるのか


生きてる意味もない人間なのか


死が楽園に思えた。

母親も死によって解放された
俺も解放されるのかな・・・


おじさんのところに行こう
おじさんなら
何かしってるだろう


親父の弟が養子で
病院をやってる
その現実をうけとめてからでも
死ぬのは遅くない



耳鳴りがした。