「母さんが何?」

「おまえの母さん、雅恵さんだろ?
目の下に大きいホクロがある。
遺影みてびっくり。
あの人がおまえの母さんだって
その人が毎晩寂しくて泣いてる俺を
優しく抱きしめてくれた。
暖かい柔らかい胸が
クッションみたいだったな~
会いたくて
会いたくて
実の母親以上に愛しかった。」


「かあさんが、おまえのとこ?」


「お互いうっすらとおぼえてるよね。
俺は、完璧に覚えてる。
雅恵さんが初恋だから。
雅恵さんが来てくれて
俺をずっと抱きしめてくれる。
多分その間
おまえは孤独だったはずだよね。」


俺の心臓は
サーッと凍った。


昔の記憶がよみがえる
俺のトラウマ