むかつくことに
あいつは俺の隣の部屋に住み着いた。



「何してるんだ?」

壁をコンコン叩く。


「別に~」

「学校行かないのか?」

「かんけーないだろ。」



「歩来ってさ、柔らかいよな~
抱いてると幸せな気持ちになる。
包まれて素直になる。
あいつは他の女とはちがう。」

  ムカつく
  俺と同じこと思ってる


「歩来が俺の名前を呼んで
イクのは、興奮するんだよな……
歩来を俺のものにできた充実感かな~」


  聞きたくない

音楽を大きくかけた。

芳樹に抱かれる歩来を
想像して
興奮してしまう


残るのは
情けなさのみ



  死にたいな~


歩来は、本当にあいつだけのものに
なるのか、それでいいのか
会って聞いてみたい。

でも、それが別れを意味してるなら



そう考えると怖かった。