そのうち一番後ろの先生に追いつかれた。

「もう、帰りたい……」
半べそだった。

「頑張れよ、お前は、知力は申し分ないんだが
体力は全くないな~」

先生が笑った。

引き返してくる人影が見えた。


素良だった。


「先生、先の橋で足くじいた奴がいます。」

「まじめにか?
松本のこと頼めるか?」

「はい、大丈夫です。」

「ここ携帯つながるから
なんかあったら連絡すれよ。
道はこの一本だから
迷うことはないだろ?
ただ、松本かなり遅いぞ~」

「プレッシャーになるから
松本さん、待たないでやったら?
バス発車までにはつくでしょ?」

「それまではつくもん……」


「そっか、じゃたのむな!!」

体育系の先生は駆け出して行った。


素良は、私を振り返り

「ほら…」と手を差し伸べた。


情けなくて
涙が出てきた。